最悪の米国大統領選挙はトランプ氏勝利

アメリカ国民は賢い選択をしたのでしょうか?
答えはYESでしょう。
 
問題発言と過去の問題行動が繰り返されるトランプ氏と、私用メール問題で危機管理能力が問われるヒラリー女史。
史上最悪の米国大統領選挙と言われた今回の戦いは、トランプ氏の当選が確実となりました。
アメリカ国民は核のボタンを預かる人間として、ヒラリー女史にNOを突きつけたということです。
決してトランプ氏にYESと言ったわけではないことは忘れてはいけません。
 
今回の大統領選挙は政策論争はほとんどなく、トランプ氏が大統領になって何をするのかがよくわかりません。
アメリカ軍の駐留費用負担を各国に増額要求するのか。
メキシコとの国境に壁を築くのか。
冗談とも本気とも付かない発言の数々は、その実効性も問題点もわからないままです。
内政主体の政府になるだろうとは思われても、国内景気のために諸外国に積極的な働きかけをすることも考えられます。
 
結局、何をするかわからない大統領が誕生するということだけが確定したということでしょう。
 
それでも私は今回の選挙結果に対して、アメリカ国民は正しい選択をしたと思っています。
 
まず王族のように続いたブッシュ家、クリントン家の大統領がオバマ大統領に続いて止まった点。
これでもうこの両家から大統領が出てくることは当分の間無いでしょう。
 
次に女性大統領誕生へのガラスの天井が取り払われた点。
今回、女性大統領は誕生していませんが、女性でも大統領になれることは示されました。
ヒラリー女史が大統領になれなかったのは女性だからではなく、本人の資質の問題だと誰もがわかったはずです。
 
また立場が人を作るという点。
トランプ氏は経済界の成功者であって、政治経験はありません。
だから問題発言が続き、過去の問題行動が取り沙汰されたのです。
政治家であればうまく立ち振る舞ったり、隠蔽することも出来たでしょう。
でもこれから大統領になるにあたって、事業を成功させた才能は発揮されるでしょうし、政治家的な振る舞いも学んでくるはずです。
そうなると行動力がある分、歴史に名を残すような大統領になる可能性もあります。
 
今後、日本の政治家や官僚、それに無能なマスコミは、トランプ氏が最初に訪れる外国について気を揉み始めるでしょう。
順当にイギリスが最初で、アジアの最初が日本などとは思わないことです。
それに最初だから重要などという短絡的な考えは、すでに思考が停止しています。
フィリピンのドゥテルテ大統領が中国のあとに日本を訪問した時のことを思い出してください。
 
トランプ氏のことですから自分を支持してくれたロシアや、移民問題を抱えるメキシコを最初の訪問国に選ぶかもしれません。
日本としてはまったく接点のないトランプ氏ですから、大統領になる前に重要な政治家を送り込むくらいはした方がいいでしょう。
いやむしろ政治家よりも経済界の人間を会わせたほうがいいかもしれません。
 
血筋やコネ、雄弁で成り立つ政治が終わり、行動力が必要な政治が始まったのかもしれません。
明治維新のときに有能な志士が多く現れたように、世界が大きく動く前兆が今日だったのでしょう。
はたして日本にもそのような政治家が現れるのでしょうか。
現れなければこの国はますます取り残されるのかもしれません。